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木の不思議

 大工の目で見た木の不思議や、植物としての木の不思議さについて

考えています。当たり前のようで知らないことが沢山ありました。

木の不思議

 

  木は不思議な植物です。同じ種類の木が同じところにあっても違いがあるし、違う場所なら

 製材された時に色合い木目堅さなどが違ってきます。まるで人間のように百木百様といえます。

  

  杉という木は日本で1番なじみの多い木かもしれません。杉のつく姓も地名もたくさんあり

 ます。建築用材としても良く見かけます。柱や和室の鴨居長押などは杉の赤味が1番高級です。

  そんな杉ですが、九州や四国の杉は板材になると赤味といわれる芯の色が黒くなるものが

 多いです。

  秋田や奈良の吉野の杉はほのかな赤身となり、日本の建築材として最も高価な木となります。

 

  その違いは、何故かというと土に含まれる鉄分の差によるものです。鉄は錆びると赤茶けた

 色になりますが多すぎると黒くなり、少ないと白くなります。ほどよく鉄分が含まれている

 秋田や吉野の杉はそこでしか育たないということのようです。

 

  これは桧についてもいえますが、杉のように黒くなることはありません。しかし四国や九州の

 桧は他よりも堅くて割れやすいといわれています。ケヤキについても九州四国のものは堅くて

 色はやや白っぽいようです。桧は木曾、吉野、そして尾州のものがよいよですし、欅については

 山陰や北陸のものが赤味がきれいで良いとされています。

 

  さらに大工の世界では、尾根や北斜面で育った木は構造用に、谷や南斜面の木は造作用にと

 言われます。尾根の木は風当たりがきついので、木目は複雑になりきれいなんですが割れやすい

 という欠点があります。北斜面の木は育ちが遅い分、細かい年輪の強い木となります。柱用

 に最適です。谷や南面の木は育ちが早く年輪は荒く、柔らかい木となりますが割れにくいので

 見えるところの造作に向いています。

 

  同じ場所でも、違う種類の木だとその性質はまるでちがいます。色や堅さや木目、遺伝子の

 なせる業なんでしょうが、同じところで同じくらいの時間で育っていく木が欅のような銘木

 から、薪にしかならない雑木まであるのも不思議な気がします。

屋久杉について

  屋久杉は、日本の内地の杉と同じもので特別な種類の木ではありません。しかし長く生きる

 ことで大木となり、樹齢3000年以上のものもあるようです。

  よくいわれますが、屋久島の杉を屋久杉というのではなく、屋久島で育った樹齢1000年

 以上のものを屋久杉と呼びます。

  日本の内地の杉の最高樹齢は500年前後といわれています。たいてい芯から腐り始めて

 やがて倒木となるようです。

  ではなぜ屋久島の杉が3000年も生きているのか。推測まじりですが、、。

 

  杉にとって1番良い条件と、悪い条件が揃った島だからという考えです。

  いい条件とは、屋久島は雨が多いということや、南の島なので日照時間が長く生育には最適

 と言えることです。

 

    つづく、、、、